賃貸契約時の初期費用

初めての賃貸契約、費用はいくらかかるの?

初めての住まい探しで気になることといえば、立地や間取り、家賃だと思います。でも、賃貸物件を実際に借りる際に忘れてはいけないものがあります。それが「初期費用」です。

初期費用とは、家賃はもとより、敷金や礼金、仲介手数料など、賃貸契約に必要なさまざまな費用をまとめた呼称のこと。結論から先に申し上げると、賃貸物件に入居する際にかかる初期費用の目安は、家賃の約5倍〜8倍にのぼります。

賃貸物件にかかる費用だけでなく、引っ越し費用や新しい家具、家電の購入など、新しい住まいへの入居にはなにかとお金がかかるもの。住まい探しをスムーズに進めるためにも、かかる費用をあらかじめ知っておくことは大切です。そこで、このコーナーでは、賃貸物件の初期費用の内訳や金額の目安をご紹介します。

初期費用の内訳と相場

賃料(日割り家賃)月の途中から入居する場合の日数分の家賃
賃料(前家賃)家賃の1カ月分+管理費
礼金家賃の1〜2カ月分
敷金家賃の1〜2カ月分
仲介手数料家賃の0.5〜1カ月分+消費税
鍵交換費用1〜2万円(一般的な鍵の場合)
火災保険料2年契約で1〜2万円程度
家賃保証会社保証料家賃の0.5〜1カ月分程度

礼金

大家さんへ慣習的に支払う費用です。北海道などでは慣習がないため礼金不要の場合が多く、地域差があります。退去する際の返金はありません。

敷金

家賃の滞納や部屋の破損などに備えるため、大家さんに担保として預けます。退去する際、原状回復(物件を入居時の状態に戻すこと)費用などを清算の上、残金が返金されます。

賃料

賃貸物件は家賃の前払いが基本になっています。入居する月の翌月分の家賃(と管理費)をあらかじめ支払っておきます。

仲介手数料

物件を仲介した不動産会社に支払う手数料です。

鍵交換費用

物件の鍵を交換するための費用です。特殊な鍵の場合、費用が増えることがあります。新しい入居者が負担することが多く、セキュリティを考える上で、交換することをお勧めします。

火災保険料(借家人賠償責任保険)

2年間の契約期間が普通で、賃貸借契約の更新時には一緒に更新手続きをし、2年分の保険料を一括で支払います。万が一に備えて、家主、入居者それぞれ加入するのが一般的です。

家賃保証会社保証料

連帯保証人を立てれば不要になるケースもあります。

このほか、不動産会社によっては「ハウスクリーニング代」や「消毒費」を上乗せするところがありますが、本来必要ではないケースも多いのでよく確認しておきましょう。

単身者向けワンルームマンション(家賃6万円)を借りる場合

例として、横浜市の単身者用ワンルームマンション、賃料は月6万円、管理費は月2千円を借りる場合のモデルケースです。賃料と管理費に礼金を賃料1カ月分、敷金も賃料1カ月分、そして諸費用などを概算すると初期費用は約31万円で月額賃料の約5カ月分になります。

<費用例の内訳>

賃料(日割り)31,000円(15日分)
賃料(1カ月)62,000円(家賃+管理費)
礼金(1カ月)60,000円(管理費分は含まず)
敷金(1カ月)60,000円(管理費分は含まず)
仲介手数料33,000円(家賃の0.5カ月分+消費税)
鍵交換費用16,500円(入居時のみ)
火災保険料15,000円(2年ごとに更新)
賃貸保証会社31,000円(初回50%プラン・2年目以降1万円)

単身者向けワンルームマンションの場合、首都圏など一部地域では、敷金、礼金ともにゼロという物件(ゼロゼロ物件)もあります。費用の節約効果大ですが、賃料が高めに設定されていることもあるので、よく調べてから契約しましょう。

カップル・ファミリー向けマンション(家賃13万円)を借りる場合

例として、横浜市のカップル・ファミリー向けマンション、賃料は月13万円、管理費は月5千円を借りる場合のモデルケースです。賃料と管理費に礼金を賃料2カ月分、敷金も賃料2カ月分、そして諸費用などを概算すると初期費用は約92.5万円で月額賃料の約6.8カ月分になります。

<費用例の内訳>

賃料(日割り)67,500円(15日分)
賃料(1カ月)135,000円(家賃+管理費)
礼金(2カ月)260,000円(管理費分は含まず)
敷金(2カ月)260,000円(管理費分は含まず)
仲介手数料71,500円(家賃の0.5カ月分+消費税)
鍵交換費用27,500円(入居時のみ)
火災保険料22,000円(2年ごとに更新)
賃貸保証会社67,500円(初回50%プラン・2年目以降1万円)

カップル・ファミリー向けマンションにも敷金・礼金ともに賃料の1カ月分という物件はあります。一方で、単身者向けワンルームマンションに見受けられるような“ゼロゼロ物件”は、カップル・ファミリー向けマンションにはほとんどありません。

※賃貸の初期費用に関しましては関東圏、関西圏で取引慣例が違うことがあり、全国の場所により、金額が上下する場合がございますので、詳細は物件の担当者にご確認ください。

初期費用を支払うタイミング

初期費用は、賃貸借契約を結ぶ前のタイミングで仲介を行った不動産会社にまとめて支払います。物件探しから入居までの流れとしては、

物件探し

入居の申し込み(申込書を不動産会社に提出)

入居審査(1週間程度)

不動産会社から契約と物件についての「重要事項説明」を受ける

賃貸借契約締結(契約書に署名捺印)

鍵の引き渡し

入居

となります。

初期費用の支払い方法は不動産会社によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。